元カレたちのストーリー

今までプレイした乙女ゲームのネタバレ感想を載せています。

罪喰い~千の呪い、千の祈り~「陸 任史」

●陸 任史/クガ トウジ(cv竹本英史さん)
陸家で至央の従者をしている術者。見た目は執事みたいな格好をしており、スマートで優しく紳士。至央を本当の我が子のように思っている。



~ネタバレ~
至央と共に主人公の命を狙ってきたのが、任史だった。
最初の印象は至央を影で支える従者であったが、任史が至央を見る優しい眼差しや気遣いや言葉を見て、至央をとても大切に思っている事が伺えたし、至央の方も任史を父親のように慕っているようだった。
なぜかちょこちょこ構ってくる至央と仲良くなるにつれ、任史との距離も近くなる主人公。主人公を「世羅」ではなくひとりの女性として接してくれる任史はとても大人で頼れるような人に見えた。
しかし至央が無理やりついてきた修学旅行が終わり、馴れ合っている期間も終わった今、陸家とは敵対することになる。もう情が湧いてしまった主人公は彼らと戦える気がしなかった。
そんな時主人公の気持ちを汲むかのように、なんと陸家が上樹家との和平を結びたいと申し出てきた。しかしその申し出をしてきたのは当主の千夜ではなく、任史とカゲロウの二人だった。陸家では50年しか生きられない呪いを消すために世羅を消そうとしていたが、今期の主人公はもはや罪喰いの儀を998回終えていたため、このまま呪いを解いた方が陸のためにもなると考えたため、主人公の儀を手伝いたいと言ってきた。その態度に怪しさを感じるものの、二人は主人公を傷つけないと魂に誓ったため、その条件を受け入れた。
そこから、上樹家での任史とカゲロウとの生活が始まった。
元より仲良くなっていた任史との生活は楽しいものであったし、カゲロウも味方となれば明るく楽しい性格であったため3人はあっという間に馴染んだ。何より優しく穏やかで気がきく任史に対し、恋心を抱くのは簡単で、主人公はすっかり任史に懐いてしまった。
それは任史の方も同じであり、主人公を女性として愛してしまった。
しかし任史には秘密があった。なんと彼は昔から千夜の実験により寿命がなかった。もう数百年生きているという任史は自分を化け物だと言ったが、任史に対してそんなひどいことをしていた千夜に対して主人公は怒り、そして任史の傷ついた体に触れて泣いた。そんな優しい主人公にまた、心が動いてしまう。
しかしそんな二人の時間はつかの間、やはり千夜は和平など結ぶ気は無かった。任史とカゲロウを上樹に送りつけたのは、至央が力をつけるための時間稼ぎと油断させる目的と、主人公を攫うのが目的だった。それを裏付けるかのように力を蓄えた至央たちが上樹家を襲いにくる。更に強い力をもって主人公を殺そうとしてくる至央だったが、なんと任史は至央を裏切り主人公を庇った。怒る至央に対し「彼女を愛してしまいました」と告げる任史。至央から大怪我を負わされながらも主人公を守り続けた。
守人のおかげで至央たちは一旦引いたものの、味方してくれた任史とカゲロウは大怪我を負い連の結界で治療していた。中々目を覚まさない任史を見て毎日泣く主人公に守人は胸を痛め、「私を殺せ」と言った。それは、このまま罪喰いの儀を進めればいずれ主人公は世羅になり必ず守人と結婚せねばならないから。でも守人を殺せば今世は呪いが解けないため、50年だけなら自由に暮らせる。50年あれば任史と夫婦として幸せを全うできるだろうという守人からの切ない気持ちだった。しかしそんなこと言われても守人を殺すことなど到底できない。しかしこのままなら世羅になるか、もしくは1、2ヶ月だけ任史との幸せな暮らしを過ごし死を待つかしかない。
目が覚めた任史に「好きです」と泣きながら伝える主人公に「あなたをお慕いしています」と言ってくれた任史は、二人で逃げようと、死を覚悟した。
しかし任史が裏切った主人である至央は、なんと任史を恨むどころか裏で二人のために動いていた。陸家で謀反を起こし、そして千夜を喰らい力を得、そのまま上樹家に乗り込んできた。屋敷のものは皆世羅である主人公の命を狙ってきたのだと思っていたが、なんと至央は守人の命を奪った。そう、守人が死ねば主人公は罪喰いの儀をせずとも50年ならば生きられるのだ。だからこそ、その年月を愛する二人で幸せになってほしいと思った。
そして無理をして上樹の結界を突破した至央も力尽き、死んでいった。主人公と任史は自由になったが、その自由の代償はとてもつらいものだった。
その後、主人を無くした陸家を継いだ任史は主人公と夫婦となっていた。二人の間には二歳になる子供もできてとても幸せだった。けれど二人は幸せになる程、彼らの命を背負っていることに切なくなる。そして、50年経ったらまた任史を一人にしてしまうことに心を痛めるが、主人公の子供が受け継いで行く血を何千年も見守ると言い、愛していると言ってくれて終わる。