元カレたちのストーリー

今までプレイした乙女ゲームのネタバレ感想を載せています。

フォルティッシモ「清家 涼」

●清家 涼/セイケ リョウ(cv柿原徹也さん)
forttêのサブリーダーで、現在は大学に通いながら芸能活動を両立させている。
子供の頃から同じダンススクールに通っていた瑛一郎とは親友同士。
グループ内でも特に彼を気にしている。
端正な顔立ちであり、モデルとしてファッション誌の誌面を飾ることも。






~ネタバレ~
(ノーマルエンド)
fortteのマネージャーになり、自分なりに頑張っていると、徐々にメンバーたちに認められるようになり、自分自身もfortteが大好きになった主人公。
しかしその中でも未だに心を開いてくれないのが、清家涼だった。
fortteの副リーダーをしている涼はリーダーの瑛一郎の親友であり、そして何より信頼されていた。誰もが見惚れるくらいの美しい顔、高身長でセンスが良く、そしてなんでもそつなくこなす。それが涼だった。
涼はプライベートでも服装はオシャレで美容にも手を抜かないため、メンバーの中ではモデルの仕事をメインとしていた。子供時代から子役モデルとして働いていたし、プロ意識が高いのでモデルの中でも一流でやっていた。ただでさえ「アイドル」という枠で一流のモデルというのは難しいポジションなのに、だ。
そんな涼の仕事についていくことも多々ある主人公だったが、まだ慣れないために仕事の連絡をミスするなどたまにあった。その都度涼から厳しい指摘を受け、fortteのマネージャーである以上はしっかりしてほしいと言われてしまった。
しかもお洒落な涼から見て、お洒落に無頓着な主人公は特に気になった。主人公が瑛一郎の付き添いで大阪に行くことが決まったことがわかると、そんな姿で瑛一郎の隣を歩いて欲しくないという涼が主人公に洋服を買ってプレゼントしてくれたりもした。
涼は瑛一郎が関わると余計に気を回している。
普段から自分には厳しい涼だったが、瑛一郎がそばにいればいつも瑛一郎を目で追って世話を焼いている事に気付いた。そして瑛一郎には誰にも見せない優しい笑顔をすることにも気付いた。
そんな頃、拓眞が事故で足を骨折してしまうハプニングが起きる。メンバーは全員沢山仕事を持っているため、拓眞の仕事にも穴が開いてしまう。しかし瑛一郎はメンバーの穴はメンバーが埋めると言い、全員で拓眞の仕事を分ける事にした。
主人公はそのメンバーの中でも涼の仕事の付き添いに着くことが多くなった。涼はメンバーの中でも仕事のプロなため新人の主人公にリスクが少ないという理由だった。その日も涼のモデルの仕事に付き添っていたのだが、撮影中にスタッフから涼に着せた服の中でどれが一番合っているかなど相談されたのだがファッションの知識が全くない主人公は困って答えられなかった。それを見ていた涼から、自分がマネージャーをしているタレントの売り方もわからないあなたは仕事に中途半端だと、そして自分を磨くこともしないあなたは女としても中途半端だと、厳しくダメ出しされてしまった。その言葉は辛いものであったが、図星をつかれた主人公はそれから毎日雑誌を読んだりスタッフに質問したりなどとファッションについての勉強をして努力をすることにしたのだった。
そんな生活が続くと徐々に涼は主人公を認め始めてくれた。プロとして意識の高い涼に認めてもらえることが嬉しくていつも涼を見るようになった主人公だったのだが、そのことから最近涼が辛そうにしていることに気付いた。そしてその辛い表情をする時は必ず、瑛一郎が関わっていることにも気付いた。
瑛一郎は英莉奈という姉がいた。英莉奈は有名な女優であり、とても美しくて優しくて穏やかな女性だった。瑛一郎はなんと、その実の姉である英莉奈を愛していた。
そのことを知っている涼は、瑛一郎が英莉奈のことで悩んでいる時、あの辛い表情をする。ずっと誰にも隠していた事実だったが、主人公が涼に「なんでそんなに辛そうな顔をしているのか」と聞いた時、初めて人に気付いてもらえたことが胸に響いた涼は主人公に自分の秘密を話し始める。
お金持ちの家に生まれた涼は小さい頃から両親が忙しく、いつも家政婦と一緒にいる寂しい子供だった。自分では寂しいというのがよくわかっていなかったが、不憫に思った親戚が気を紛らわせるためにと入れてくれた子役のスクールで運命的な出会いをした。それが、瑛一郎だった。瑛一郎は小さい時から明るくて優しくて楽しい子供で、瑛一郎と過ごすのが楽しくて、初めて「寂しい」という意味が分かった。そして瑛一郎が悩んでいた演技のアドバイスをしてあげたことで瑛一郎は涼にとても感謝し、そして「ずっとそばにいて俺を支えてくれよ」と言われた。その言葉に涼は感動し、それからずっとそばにいようと誓い、そして瑛一郎が自分の全てになったという。
そう、瑛一郎は涼の一番の特別な存在。誰よりも大切で、誰よりもそばにいたい存在なのだ。
瑛一郎への感情をハッキリ「恋」だとは言わなかった涼だったが、言わなくても十分に伝わった。だからこそこんな秘密を初めて人に話した涼は主人公に何を言われるか怖かったのだが、主人公が答えたセリフは「別におかしくないんじゃない?」という軽いセリフだった。
そんな一言に目を丸くした涼はなんだか自分が悩んでいたのがおかしくなった。主人公は別に軽く見たわけではなく、そんな瑛一郎のそばにいれば絶対誰でも好きになるに決まってると思ったからそう言ったのだ。男だとか女だとか関係なく、好きになるのはおかしくないことだと思うから。そして、その人の「一番大切な人」になれなかったとしても支えることは出来るのだということも教えてくれた。
自分のことのように悩み、支えてくれようとする主人公を見た涼はなんだか吹っ切れた気持ちになれたのだった。
それからというもの、涼と主人公の距離は近くなった。涼は瑛一郎を支え、主人公は涼を支えようと思う。誰にも言えなかったことを聞いてくれる人がいるということは涼にとっても本当に心が軽くなった。
しかしそんな時、なんと英莉奈に熱愛発覚というスクープが出てしまった。瑛一郎はショックを受け、何もできなくなり、大阪で行われる舞台の演技も出来なくなり、家に引きこもってしまった。
主演の穴を開けるわけにはいかず代役を入れると言われたのだが、以前瑛一郎がfortteの穴はfortteが埋めると言った言葉を忘れていなかった主人公は、なんとロサンゼルスから風斗を呼び出し代役になってもらうことにした。
なんとか風斗を説得して日本に連れ戻したのはいいものの、肝心の瑛一郎はおかしくなったまま。風斗やメンバー達は不在の瑛一郎のために必死で仕事をし、心配をしていたが誰の言葉も瑛一郎には届かなかった。
主人公と涼も二人でなんとか瑛一郎を助けたいと毎日相談をしていた。そしてついにもうこれ以上は待てないという時期にさしかかり、主人公と涼は瑛一郎の家へ説得しに乗り込むことになった。
ようやく部屋に入れてくれた瑛一郎はやつれ、そして覇気がなく、もう何もかもどうでもいいという感じだった。そんな瑛一郎に涼は想いをぶつける。自分の気持ちなんか涼にはわからないという瑛一郎に対して、わかるわけがない甘えるなと叱咤し、そしてだったら俺の気持ちは考えたことがあるのかと言う。誰にも気持ちはわからない、自分にしかわからない、けれどそれでも前に進まなければならない、何故ならそれは後ろには沢山瑛一郎を愛してくれている人がいるのだから。
みんな瑛一郎を心配してる。だから前に進んで、そして振り返ってほしいと言う涼。振り返れば自分達がいて「一番大切な人じゃなかったとしても、支えることは出来るから」と、あの時主人公が言った言葉を、涼は言ったのだった。
その言葉は瑛一郎の心に響き、正気を戻した。そして瑛一郎は今まで迷惑をかけた人たちにすぐに謝罪に行くといい、沢山の場所を回って歩き出したのだった。
瑛一郎がやっと元気になって良かったが、主人公は涼が気になっていた。ある意味告白であるようなあの説得をし、そして失恋したのだから。
主人公は次の仕事までの空き時間の30分を私に頂戴と言い、涼を静かな場所につれていく。そして泣いていいのだと言った。涼は、唯一秘密を知る人である主人公の存在がいることが本当に心の拠り所であった。だから今失恋しても前に進めるのだと感じ、主人公の肩を借りて寄り添い、心からありがとうとお礼を言った。その切なくて美しい笑顔に泣きそうになる主人公は、ハッキリと、涼の事が好きなんだと気付いてしまった。
そんなことから半年が経った。
fortteはますます人気が出て大忙しだった。主人公もマネージャーが板につき、涼のおかげで自分磨きも怠らずとても綺麗になった。そして涼は主人公に凄く優しくなっていた。
好きな気持ちを隠したままだったが、涼は瑛一郎への気持ちを吹っ切ったのか彼への態度も前とは変わっていた。いつも瑛一郎ばかり気遣っていたのにむしろ主人公のことばかり気遣う様子だった。
涼は最近主人公が「マネージャーだから」という言葉を発すると機嫌が悪くなった。何故かはわからない主人公に、瑛一郎は何か気付いたようだけど教えてはくれなかった。
そんな日々で、涼はパーティーに主人公を同伴で連れて行ったり、食事に誘ってくれたりした。目の前にいる涼の笑顔が以前は瑛一郎に向けていた笑顔とおんなじで余計にときめいてしまう。勘違いはしてはいけない、そう思うのに涼は食事の後主人公を自分の部屋に誘った。カクテルを作ってくれる涼の姿は様になっていて、お酒だけじゃなくその色気にも酔いそうだった。しかも涼はやたらと今日は積極的で距離も近くてドキドキした。更には、部屋に入った女性は初めてだとか、特別じゃなきゃ部屋に入れないとか、どんどん勘違いすることばかり言う。焦る主人公がお酒をこぼしてしまって服を濡らしてしまうと、シャワーを浴びてきていいと言われて借りることになってしまった。涼の服を借りると大きくて、そして涼の匂いがしてますますドキドキし、そんな主人公を見た涼はなんと、主人公にキスをした。拒む主人公に甘い声で体に触れる涼は、肝心なことは言ってくれない。けれど俺に身を委ねてと囁かれれば体が熱くなり、好きな人にキスされればもう、我慢はできなかった。
そのまま一夜を共にし、後悔する主人公は逃げるように家を出た。涼から好きだと言われたわけでもなく、ただ求められ受け入れた事がマネージャーとして失格だと思えた。
しかもなんと主人公が涼の部屋から朝帰りするところを、松永に写真を撮られてしまったのだ。
スキャンダルをもみ消してほしいならマネージャーを辞めて文橙館にこいと言う松永。主人公はマネージャーの仕事が大好きだし、涼やみんながいたからこそここまで成長できたと思うから離れたくなかったが、決意して辞表を出そうとする。しかし主人公がおかしいことに気づいた涼は主人公を迎えに来て主人公を連れ出した。
連れていかれたのはなんと松永のところ。そして涼は言ったのだった、写真を公表したいならすればいいと。真剣な恋をしていることがわかってもfortteのファンは決して離れないと。堂々と言ったのだ。
その姿を気に入ったのか、なんと松永は写真を公表するのはやめると言ってくれたのだった。
二人きりになった主人公に涼はやっと「あなたが好きだよ」と言ってくれる。主人公は嬉しかったが、タレントとマネージャーであることが気になっていた。けれど涼は言う、「別におかしくないんじゃない?」そう、その言葉は涼が一番救われた主人公の言葉。
あなたは俺のこと好きじゃないの?と言う涼に「好き」だと答えると、それならいいじゃないとキスをしてくれる。ようやく本当に結ばれた想いに、主人公は心から喜んだ。
その後、恋人同士になった二人だったが相変わらずメンバーにもそのことは秘密にしていた。涼はむしろ話したがっていたのだが、主人公はマネージャーであるために隠そうと決めていた。
そして主人公は「鬼マネージャー」と呼ばれるくらいにしっかりし、そしてますます綺麗になった。涼のモデルの撮影について行っても、編集者の男性に誘われることも多かった。涼は涼で相変わらず美人なモデル達に連絡先を聞かれたりする事が当たり前だったが、主人公が編集者に言い寄られているのを見ると美人モデルに気を使うのもいやになり「あななたちに興味はないから」と冷たく言って主人公の元へ走り、編集者を近寄らせないようにしていた。
そんな事があると嫉妬を隠せない涼は控え室に戻るなり主人公を壁に押し付けキスをした。誰かに見られるかもと焦る主人公に構わず、ここでこのまましてもいいと服の中に手を伸ばす。怒った主人公は涼を叩いたが、ハッとする涼はごめんと謝っていた。涼のことが大切だからこそスキャンダルを避けたい主人公は目の前で先ほどの編集者から寄越された名刺を破り捨てる。涼意外を見ることはないと伝えると涼は主人公を抱きしめた。
そんな時、ブライダルの雑誌の表紙の仕事が来た涼。最大の理由としては、スキャンダルもなく恋愛の想像がつかない涼だからこそやってほしいということ。主人公は「そうなんです、スキャンダルは一切無いんです」と自慢げに話すと、ムッとした涼はすぐにその仕事を受けると言った。
撮影の当日、教会の前でタキシードを着る涼はやはりとてつもなくかっこよく、主人公や周りの人は皆見惚れた。しかし相手の花嫁役のモデルが急遽病欠してしまうというハプニングが起こると、なんと涼は主人公をモデルにすると言い出した。
困る主人公だったがあっという間にウェディングドレスを着させられメイクもされた。花嫁役は顔を写さず口元だけだという約束だったのでバレはしないが緊張で上手く立ち回れない主人公。すると涼は俺に身を委ねてと言い、みんなに聞こえないように口を開く。そっと主人公の手を握って、優しくて素敵な笑顔で「仕事の時もプライベートも、この先もずっと俺の隣にいてほしい」と。これはプロポーズをしているんだよという涼は、中途半端な気持ちで付き合ってるわけがないという。その言葉に主人公の頬には涙が流れた。二人の最高の表情に、その撮影は大成功に終わった。
その後、そのブライダルの雑誌の表紙が出来上がるとメンバー達がそれを見て驚いた。その涼の笑顔が余りにも素敵だったから。
瑛一郎は相手のモデルが主人公だと気づき、メンバー達は驚いた。そして涼をこんなにもいい笑顔に出来るのは主人公だけだと瑛一郎は認めてくれた。
メンバー達がいなくなって二人きりになると、涼がわざと主人公だと気づかせたかったことを打ち明けてくる。更にこのあいだの撮影だったきっと、周りの人間は二人の空気に気づいただろうという。涼は早くみんなに二人の仲を公表したいため、外堀を埋めていると言い出した。
驚き焦る主人公に、涼はまた好きだと告げて甘えてくる。そんな涼に翻弄されながら、幸せだと思えるのだった。

(肉食エンド)
ノーマルエンドで松永に写真を撮られてから涼と両想いになってから分岐する。
あれから晴れて恋人同士になった二人は、秘密の恋を守るために二人で会うときは必ずどちらかの家で過ごすことにしていた。
そのため涼の家にしょっちゅう遊びに行っていたのだが、涼はキスはしてくれたがそれ以上の事はあれ以来一度もしてくれなかった。
その日もお互い時間があり、更に次の日は午後からしか仕事が無いため余裕があった。これならばきっとまた涼が愛してくれると期待したのに、なんと涼は時間がたっぷりあるからと沢山のDVDを観ようと言い出した。物足りない主人公は涼に「手を繋いで欲しい」とか「くっつきたい」とアピールするものの、承諾してくれるがそれ以上はなし。もじもじしていれば気付いた涼は意地悪を言うように「なんだ、俺に抱いて欲しかったの?」と言ってきた。しかも抱いて欲しいなら誘ってみてと無理を言って意地悪してくる。もうここまできたらやるっきゃないと主人公はどうにか涼を誘おうとし、最終的に涼を押し倒す。すると涼は主人公に自分から脱いでとお願いし、そしてこのままの体勢で自分から動いて俺を求めてと誘ってきた。そのためその日は結局甘い時間を過ごしたものの、とても恥ずかしい思いをしたのだった。
そして後日、そんな恥ずかしさをヤケ酒でごまかそうと涼をいきつけのバーに誘うと、しばらくして涼がどんどん積極的になってきた。早くあなたがほしいとか、このままホテルにいこうとか、帰らないでとか。そう、涼は酔うと積極的になるのだった。そういえば初めてのあの夜も涼は酔っていたのだと思い出した。いいことを知った主人公はそれからというもの、バーのマスターには自分の酒だけ弱いものを出してもらい、涼には酔ってもらうように仕組んでいた。
それから涼が酔って甘えてくるのが可愛いくて、いつもその流れになっていたが、その日の涼はあえて自分から強い酒を飲んで酔って主人公の部屋に押しかけるなり激しく主人公を求めた。実は今日の仕事の時の仕事相手に「マネージャーに恋人がいるか教えてほしい」と聞かれたためやきもちをやいたからだった。それに対して涼は「見た目も地位もハイスペックな王子様みたいな恋人がいる」と答えたという。そんな、甘えて可愛い涼もやきもちを焼く涼も愛しくてしょうがない主人公は、抱かれながら「本当に私の恋人は王子様で魔法使いだよ」と激しく求めた。
次の朝、涼の激しいキスで目を覚ますと、逞しい裸姿のまま自分に覆いかぶさる涼がいた。朝から我慢ができないとまた愛をぶつけてくる涼に、若さを感じてちょっと困ったけどまた愛おしい。そして涼は昨日本当はプレゼントがあったのだといい、主人公の方にそれを渡した。それはなんと、涼の家の合鍵。心から嬉しくなった主人公は、王子様とお姫様のお城を買うために今日も頑張らなくちゃとマネージャーの顔になった。
仕事に向かうための用意をする二人は、朝の日差しの中言う。僕はfortteの清家涼だと、そして、私はマネージャーだと。
仕事もプライベートも、ずっとそばにいるために今日も笑顔を交わしたのだった。