元カレたちのストーリー

今までプレイした乙女ゲームのネタバレ感想を載せています。

帝國カレイド「世良 皇一朗」

●世良 皇一朗/セラ コウイチロウ(cv江口拓也さん)
24歳、186センチ。
主人公を護る無愛想な護衛。
どんな時でも仕事に忠実で、頑固な一面も。
天崎の独裁に対し不信感を抱いている。







~ネタバレ~
(ハッピーエンド)
中央都市、王宮へ行くことになった主人公。これから兄のため、より良い国の繁栄のためになる相手の元へ輿入れするべく、立派な淑女になるためのレッスンをしろと命じられる。
そんなとき、姫という立場になり狙われることになるかもしれない主人公を護るために護衛として雇われたのが、世良皇一朗だった。
高身長で整った顔をした世良は、その腕の強さは確かだった。主人公が王宮へ来る際も途中で山賊に襲われても体を張って守ってくれたし、一人で大勢の輩を退治してみせた。なのでその腕に護られるのは心強くあったものの、なんといっても無愛想なのがたまにキズだった。
常に24時間体制で主人公のそばにいることになった世良だが、話しかけても基本は無視。返事をするどころか表情すら冷たいものだった。
王宮を出ることを許されていない主人公にとってずっと側にいる存在がこんなにも無口だということは耐えきれず、どうにか仲良くなりたいと思い、何度も話しかけたり外に誘ったりもした。そのおかげでなんとか返事はしてくれるようになったが、やはり愛想のいいものでは無い。
しかしそれは世良なりの優しさであった。
ある日廊下で兵にぶつかってしまった主人公だったが、世良は「姫にぶつかるとは何事だ」と兵の胸ぐらを掴んで罵倒した。その剣幕に主人公は自分が悪かったからだと世良を止めようとすると、世良が「姫がそんな態度ではいけないのだ」と教えた。そう、姫という立場だからこそ、他の者と対等ではいけない。舐められてしまっては今後主人公が誰かに利用されるかもしれないという事だった。
だからこそ、世良はただの護衛である自分が主人公と話していれば、主人公の立場が悪くなることを心配し、話してくれなかったのだ。
世良がやはり優しい人なのだと気づいた主人公は嬉しくなり、世良ともっと話しをしたいと告げ、世良はようやく自分だけなら話してもいいと言ってくれるようになった。
それからというもの、世良は主人公の一番の話し相手となった。
常にそばにいて護ってくれて、そして何より優しい人。それが仕事だとはわかってはいるけれど、唯一の拠り所である世良はやはり主人公にとって特別な存在になっていた。
姫、といってもずっと田舎暮らしをしていた主人公にとって王宮の暮らしは慣れないことが多かったわけで、習っているダンスは中々上手くならないし、世良が兵に教えているという武道に興味を持ったりなど、本当に淑女とはかけ離れていた。しかしそれでも世良はダンスの練習の相手になってくれたり、武道を教えてくれたり、更に一度だけ許された外出の際も人目を気にせず喫茶店ではしゃぐ主人公に呆れもせず微笑んで付き合ってくれた。
更に本を読むのが好きだという共通の趣味からも、同じことで楽しめるという楽しさを知った。
主人公の中で世良の存在はどんどん大きくなっていく。それはもはや、恋として。
しかし気づいた時には遅く、兄の奏嗣が舞踏会の場で主人公の輿入れが決まったと言う発表をしたのだ。相手は誰だかもわからないが、主人公はそのために呼ばれたのだと、有無も言わさず日取りまで決まっていた。
ショックを受けた主人公は一晩中泣き明かした。するとずっとそばにいてくれた世良がある事を話してきたのだ。
最高権力者として直属に血を引いているのは、本当はお前なのだ、と。
本当ならば一番先代と血が近い主人公が最高権力者となるはずなのに何故か主人公は田舎に送られ、更に奏嗣が最高権力者となっている。そのことをおかしいと思っていた世良は実は何年前から実は革命軍と繋がりながら、独裁政治を行う奏嗣を引き摺り下ろす計画をしていたのだ。
そして主人公に実際に会って、血のことはもちろん、主人公の人としての優しさや強さに最高権力者としての器があると判断し、主人公さえ頷いてくれれば自分がお前を最高権力者にすると言ったのだ。
突然のことに驚く主人公だったが、更にそのことを聞いて仕舞えば今までの世良の優しさはただ単に自分を最高権力者にするための優しさだったのかと思え、辛かった。そのショックで熱を出してしまう主人公だったが、世良は病に伏せる主人公を甲斐甲斐しく世話をしてくれたし、やっぱり優しかったのだ。
そして決意した主人公はまずは奏嗣の気持ちを知ってから決めたいと願い、奏嗣に話を切り出すことにした。何故最高権力者の権利がない奏嗣が今の位置にいるのかということを。
最初は相手にしてくれなかった奏嗣だったが、世良が小刀で脅したため観念し、本当のことを話してくれた。
先代の主人公の父は大臣に殺されていたこと、そしてその大臣が幼かった自分に目をつけていいように最高権力者として祭り上げられ、全て政治を行っていたこと。更に大臣が主人公に目をつけたため、主人公を危険な目に合わせたくなくてわざと自分の元に呼び出し、安全な国外に輿入れさせて逃がしたかったこと。
奏嗣は結局、主人公のことをちゃんと思っていたのだ。
真実を知ったが、その時なんと革命軍が反乱を起こし、王宮になだれ込んできた。更に王宮に火をつけ、革命を起こそうとしていた。世良は事前に知っていたため主人公を担いで外に逃がすが、主人公は奏嗣を助けたいと願った。しかし世良は革命を起こすには、その代償として一番に代表の命の犠牲が必要だと言ったが、主人公は命が犠牲になっていいはずはないと言ったため、世良はもう一度王宮に入り、なんと奏嗣を助けてくれたのだった。
その後、奏嗣は自ら自分を死んだことにしてほしいと願い、他の地に旅立った。今まで利用されていた人生だったため、ゆっくりと自由を手に入れたいのだと思った。
主人公は奏嗣の代わりに最高権力者となった。
そして数日が経ち、どうにか上手く立ち回っている。周りの人間も助けてくれて、革命軍は解散することにもなった。
そんな平和を感じ、世良はなんと王宮を出て行こうと荷物をまとめていた。革命軍と繋がりがあった自分が最高権力者の近くにいるとなれば主人公に迷惑がかかるからだ。しかし主人公はずっとそばにいてほしいと、世良のことが好きだと言った。世良はその言葉を聞いて、自分も本当はずっと前から好きだったと言うが、身分の差を感じて、主人公の名前に傷をつくのを恐れて身を引こうとしていた。
けれどやっと決心できた。何を言われても、自分が護ればいいのだと。
覚悟を決めた世良は、主人公に好きだと言い、ずっと一緒にいると言ってくれたのだ。
その後、二人はたまに二人だけで外出をし、神社の前で初めて手を繋ぐ。そして世良は主人公にそっと口付けた。いきなりのことに驚く主人公だったが、とても嬉しいと感じ、二人はまた自然と口付けて幸せを噛み締めた。