元カレたちのストーリー

今までプレイした乙女ゲームのネタバレ感想を載せています。

スチームプリズン~七つの美徳~「ユネ・セキエイ」

●ユネ・セキエイ(cv高瀬泰幸さん)
年齢???/身長160cm
【キャラクターテーマ:希望 Hope】

神に愛された存在『神官』として上界で崇められている青年。
神々しく近づくことも恐れがたい雰囲気を出すこともあれば、子供のように無邪気に笑ったりと掴めない性格。
聖人ユネと呼ばれることも。
※ウルリクのバッドエンド「フェリエ」をクリア後ルートオープン。






~ネタバレ~
(ベストエンド)
両親殺しの罪で下界に落とされる事になった主人公だったが、誤解を解くことすら許されないまま下界に行く事に納得出来ず、足掻いていた。すると何故か主人公は下界に落とされず、とある人の元へ連れて行かれる。
その人こそが、あの聖人と呼ばれ不老不死のユネ・セキエイだった。
ユネはなんと主人公を下界に行かせない代わりに自分の付き人として働けと言った。主人公からすれば両親を殺した犯人を見つける絶好のチャンスであり、願っても無い申し出だったのだが、罪人を付き人にするのはおかしいこと。だからこそユネは主人公を付き人にする理由があった。それはユネの願い「自分を殺してほしい」ということにあった。
ユネは不老不死。そのため死なない。だから両親を殺すなど残虐非道な罪を抱える主人公なら自分を殺せるのではないかと思ったからだ。ユネが何故死にたいのかまでは分からなかったが、主人公は一ヶ月以内にユネを殺さなければ、主人公の事を殺すと言われてしまった。
もちろん主人公は殺人などしていないし、ユネを殺す事だって出来ない。けれど一ヶ月の間にどうにか解決する方法を探そうと、付き人になることにした。
しかし付き人になってすぐにわかる。ユネは不老不死である以上に、誰も傷すらつけられない存在であることが。世界に愛されていると言われているユネ、そんなユネに悪意を持つ貧民が毒を盛った花をユネに渡そうとしたところ、なんとユネが受け取る前に花は枯れた。更にその男が直接的にユネに刃物を向け走ってきたが、その瞬間勝手に窓ガラスが割れ粉々になりその男を串刺しにして殺した。
そう、ユネは世界から守られていたのだ。
その事実を知り誰にも殺せないのだと気付くと、だからこそお前に殺してほしいのだと言うユネ。大人びていて、けれど子供のように悪戯な事を言ったり、そして人間らしく沢山ご飯を食べるユネ。思い描いていた聖人のイメージとは違っていて、主人公は彼をもっと知りたいと思っていた。
そんな日々を過ごしていると、ユネは突然下界に行くのでついてこいと言い出した。それは聖人としての奉公のようなもので下界に落とされた保護地区への訪問だった。驚く主人公だったがあっという間に話は進み、二人は保護地区へ行くことになる。ユネは聖人であるためHOUNDSにも丁重に扱われ、保護地区に住む者たちも手を合わせ泣きながらユネを崇めた。更になんと保護地区でフィンと再会することになる。警察官は二人一組で形成されるため、片方が罪を犯した場合もう片方はHOUNDSに勤めなければならないというしきたりがあったためフィンはHOUNDSのメンバーとなっていた。自分のせいでHOUNDSになってしまったフィンに申し訳なくて何度も謝ったが、フィンは前と変わらぬ優しい笑顔で「あなたが無事ならいいんです」と言ってくれた。
ユネのおかげで大切な人との再会をしたが、ユネは保護地区を抜け、本当の下界と呼ばれる場所へ行くと言った。保護地区の壁の外にあるそこは思っていた場所とは違い、賑やかで栄えていた街並みがあった。そしてそこは、大洪水で生き延びた人々が作り上げた街であり、なんとユネの故郷だった。
ユネはそんな故郷にアルセンクライム・フェリエという存在を探しにきていた。しかしアルセンクライムはとっくの昔に死んでおり、その末裔であるウルリク・フェリエに会うことができた。そしてユネはウルリクに「アルセンクライムが持っていた鍵が欲しい」と言ったがウルリクはそんなものは知らないと言った。
そのことからユネはついに、自分の過去を話し始めるのだった。
ユネは道端に捨てられた子供だったが、ケイシャ・フェリエという機械技術者に拾われ、育てられた。ケイシャは有名な鉱石の研究者でアルセンクライムという息子がいた。アルセンクライムは機械技術の方に長けていたが、ユネは鉱石の研究に興味を出し、ケイシャと共に沢山の研究に没頭した。しかしケイシャとユネが登っていた山が毒に侵されていることを知らず、ケイシャは死んでしまい、更にユネも心臓の病気になってしまい生きていられる日はもうほとんど残されていない状態になった。
そんな時アルセンクライムが神の鉱石と呼ばれる「セキエイ」を見つけた。アルセンクライムはそれを売ってユネの病気を治す費用に充てると言ったが幻のセキエイを見たユネは、どうせ死ぬ命だからセキエイの研究をさせて欲しいと言った。それからユネは毎日大切にユネを扱い、その神秘の謎の研究に没頭する。するとある日夢の中でセキエイがユネに話しかけてきたのだ。自分は意思がある鉱石だと。そして自分たちをこんなにも愛してくれるユネに死んでほしくないから自分を使って生きて欲しいと言った。セキエイは自ら脈打つ石であったため、心臓の代わりとして働けると言うのだ。だから心臓にセキエイを移植すれば死ぬことはないと言う。ただ、命を操作するには代償がいるという。
その代償がなんなのかわかんなかったが、ユネは生きたいと望みアルセンクライムと共に心臓にセキエイを移植する方法をあみだし、無事成功する。しかしそれからセキエイの声は聞こえなくなり、更に年は取らず、死ぬこともない、不老不死という聖人ユネの誕生となった。
そんな事を話してくれたユネは、もう疲れたのだと言った。みんなみんな自分を置いて死ぬ。軽く400年を越える時を過ごし、もうこんな孤独には耐えられなくて、だから殺してほしいと望んでいたのだ。
だからアルセンクライムが心臓を移植した際、最後に鍵をかけたのを覚えており、その鍵があれば心臓を止められるかもしれないと思った。しかしウルリクやエルトクリードは鍵のことは分からず、結局ユネと主人公は上界に戻ることになった。
上界に戻る前、ユネは言う。残念だったけど、今までここまでついてきてくれた人は誰もいなかったから、ついてきてくれた主人公のことは他の人より好きだと言った。だからまだ主人公を失いたくないとも。
そんなこともあり、ユネは主人公のことを考えることが多くなった。今まで自分に人として向き合ってくれた人など何百年もいなくて、なのに心配して悲しんだり喜んで笑ってくれる主人公を想うと胸が温かくなる‥そう思ったのに、主人公を想った瞬間ユネの胸は激しい痛みを襲い、あまりの痛さに倒れてしまう。何百年も感じたことのなかった痛みに驚くが、ついに死ねる方法を見つけたのだと思った。そう、ユネが生きる代償は不老不死では無かった。ユネが人から愛されることも愛することも触れることもできないのが、代償だったのだ。
400年ぶりにセキエイがユネに語りかける。神の鉱石であるセキエイはユネを愛していたのだ。だからこそユネに自分以外を愛することを許さないという呪いをかけ、生きながらえさせた。
しかし死にたいユネは主人公に、恋人になってほしいと言った。そしてそれから二人は恋人という設定で共に過ごすことになるのだが、ユネは擬似でやっていたのに、主人公が死を恐れずにユネの頬に触れ、温もりをくれる優しさに本当に惹かれてしまっていた。そして主人公もまた、ユネを大切に想っていた。
主人公を喜ばせたくて、両親殺しの事件をもう一度見直してほしいとウォーナー・エヴァンスに申し入れたユネだったが、なんと両親を殺した犯人はウォーナーの息子であるフィッツジェラルドであったため、二人に嵌められたユネは愛という大罪を犯した罪として下界に落とされてしまった。
下界に落とされることも死も恐れてはいなかったユネだったがただ一つ心残りは主人公のことだけ。主人公を愛していた、だからこそ自分がこうなった今無事でいるのかが分からなくて涙が出た。何百年も流していなかった涙を、流したのだった。
下界の保護地区に着くと、セキエイに見放されたユネにセキエイからの保護はなく、保護地区の住民に石を投げられ暴行を受ければ傷つき痛みを感じた。大洪水の時自分だけ逃げてしまったという罪悪感があるユネは、その痛みを耐え続けた。更にHOUNDS内に連れられ、医師のグリッサードに監禁され拘束されてしまった。人造人間の研究をしているグリッサードは前からユネの不老不死に興味があり、格好の餌食だと実験を行なった。セキエイの保護が無くなってもまだ不死が消えたわけではないのでユネはずっと痛みに耐え続けていた。
しかしそこになんとフィッツジェラルドにより下界に落とされた主人公と、ウルリクが力を合わせてユネを助けにきたのだった。更にフィンが現れグリッサードを殺し主人公たちを逃がしてくれたが、フィンはその後ザクセンと交戦し、死んでしまう。
その後無事に逃げられた主人公とユネはウルリクの秘密の場所に来ていた。そこはフェリエ家に代々伝わる秘密の場所だった。そしてウルリクは更に代々伝わる開かない箱をユネに渡す。その箱はユネがアルセンクライムにプレゼントした懐かしい箱だった。
暗証番号を押し開くユネの目の前に現れたのはなんと、心臓の鍵だったのだ。アルセンクライムはずっとユネの不死について心配しており、ずっと先にユネがこれを欲しがった時に渡せるようにと守ってきてくれたのだった。
これでやっと人に戻れるユネは、鍵を回す。そしてずっとしたかったこと、主人公を抱きしめることができたのだ。
この先エルトクリードが二人の面倒を見てくれるといい、ユネはずっと昔にしたかったオモチャ屋さんになるという夢を語った。やっと人になれ、夢を語れるようになったのだと言うユネは清々しい顔をしており、この先この心臓がいつ止まるかわからないけど、愛しているからずっとそばにいてほしいと、主人公の頬にキスをするのだった。