元カレたちのストーリー

今までプレイした乙女ゲームのネタバレ感想を載せています。

DYNAMIC CHORD feat.apple-polisher「天城 成海」

●天城 成海/アマギ ナルミ(cv蒼井翔太さん)
apple-polisher略してアッポリのボーカリストのNaL。透き通るような声を持ち、天使のようなキレイな見た目をしている。優しくて思いやりもあり、とてもいい子。メンバーたちの中では最年少であり、可愛がられている。主人公の初恋の相手。
ちなみに、ダイナミックコード一作目の「rêve parfait」にも出演している。レヴァフェのメインのキャラである玲音、亜貴とは幼馴染であり、レヴァフェの主人公も幼馴染であり従姉妹。しかも成海はその主人公が初恋の人であり、今作では恋が叶わなかったことのその後のお話になる。




~ネタバレ~
(エンド1~I always had a crash on you~)
幼い頃、歌う事の素晴らしさを教えてくれた初恋のあの男の子。自分の人生を変えてくれた男の子への気持ちを大切にしたまま12年が経ち、主人公はシンガーとして売れ、世間からも評価を得ていた。しかもあの初恋の男の子も「apple-polisher」というバンドのボーカルとしてデビューしていたのだ。同じ業界にいればきっといつか再会できると心に秘め、主人公は大切な歌を歌っていた。
そしてそんな生活を送る中、自分が所属している星月プロダクション先輩、grieflullaby通称グリララのライブツアーにゲスト出演する主人公。グリララのメンバーは昔から主人公を妹のように可愛がってくれ、とても充実していた。
しかし事態は一変、グリララのサポートメンバーとして現れたのはあのアッポリのベースである黒沢忍だった。彼がゲストになることにより、ついにアッポリのメンバーが主人公と引き合わせられることになった。夢に見ていた初恋の人との再会、主人公は緊張しながらもメンバーの前で歌を歌うと、成海は気づいてくれたのだった。あの、一年間だけ一緒に過ごしたことがある小さな女の子と同一人物だということに。
それから二人はライブの打ち上げで本当の再会を果たす。懐かしさと恥ずかしさで胸をときめかせる主人公に、成海は昔と変わらない天使のような笑顔で優しく話しかけてくれた。心待ちにした再会はとても素晴らしいものになり、それから二人は友達のように仲良くなっていった。
そんな時主人公のマネージャーである虎雄が、婚約者である主人公の姉と結婚する時期が近づいてきた。そのため主人公は姉と暮らしていた家を出て、一人暮らしをしなければならない。心配する姉だったが、それを知った成海の父の輝成と、母の遥海が主人公を成海の家で預かると言ってきたのだ。初恋の人との同居生活などと戸惑う主人公に、周りはどんどん話を進めていき、ついに主人公は本当に天城家に住むことになってしまった。
しかし受け入れてくれた天城家は本当に素敵な家族だった。優しい父と、優しい母、そして何より優しい成海。暖かい両親に育てられたからこそ成海がこんなにも優しくいい子に育ったことがすぐにわかった。そしてそんな心地いい家で、歓迎してくれた成海ともうまくやっていけたし、しょっちゅう訪れるアッポリのメンバーとも仲良くやれ、主人公の毎日は充実していた。
しかし、気づいてしまった。成海の初恋の相手のこと。
成海はレヴァフェのマネージャーである女の子に初恋をし、そして振られていた。振られていたと言っても告白はしたわけではなく、その女の子には彼氏がいたのだ。しかも成海はその子のことが忘れられなくまだ心にあるようで、アッポリの新曲には成海の切実な失恋の気持ちが作詞されていた。
成海の気持ちに気付いてしまったことにより、主人公もまた成海に対して初恋なだけではなく未だにまた恋をしていることに気付いてしまった。しかしそれと同時に、自分もまた失恋していることも。
成海の笑顔を見て嬉しくなるし、成海の辛い顔を見ると切ない。ここまで大きくなってしまった恋心は、どうしても捨てられない、たとえ自分に気持ちが向いていなくても。
そんな気持ちを抱えたまま、グリララメンバーやアッポリメンバーに相談すると、彼らもまた色々アドバイスをしてくれた。成海の初恋を忘れさせるために主人公も色々とアプローチをするべきだと沢山のことをしてみるものの、天然な成海には全く通じず、更にひどいことに主人公は違う人に恋をしてると思われ応援までされてしまう。ここまで女として意識されていないことに皆項垂れ、更にアプローチを続けるものの結局それは変わらず、ついに主人公は告白をすることにしたのだった。
女として意識されていないんじゃ成功するはずなんかない。けれどこのままではいけないと、ついに成海に本音をぶつける。自分の初恋の人は成海君だと、今も大好きなのは成海君だと。それを聞いた成海はやはりとても驚いた。そしてやはり思った通り、気持ちには答えられないと振られてしまうが、主人公の一途な気持ちに成海は涙を流してくれた。そして主人公はこれからもアタックさせてほしいと宣言し、二人の関係は少しだけ変わった。
それから主人公は成海への気持ちを隠すことなく、毎日成海の良いところを見つけては褒め、そういうところが大好き!と、正直にぶつけた。成海もその気持ちが嬉しくて、主人公にだけはなんだか甘えられるような気がした。
しかし成海はメンバー内で問題を抱えていた。それはメンバーが自分をいつまでも子供扱いすること。有紀が作る曲はいつも自分が歌いやすいように自分のためだけに作られている曲だともわかっていた。けれどそれではアッポリとして、四人のバンドとしては成長できない、そう思う成海だったが優しい成海は本音が言えなかった。その異変にいち早く気づいた主人公は成海に対し、本音をぶつけたって嫌われないから本当の気持ちをぶつけたほうがいいとアドバイスすると成海は心を決め、有紀にぶつかり、二人はより理解し合える関係になった。
しかしせっかく雰囲気が良くなったものの、成海の歌は成海の誕生日のあたりから歌い方が変わっていた。更に腕に間違いのない夕星のドラムがずれるようになった。それどころかアッポリのワンマンライブ中、夕星のドラムがズレにズレ、ついには夕星は叫んで会場から逃げてしまう。異様な事態に混乱する成海に告げられた事実は、夕星の耳が病気になり聞こえなくなっているということだった。
夕星を信頼していた成海は病気のことを相談してくれなかったことにショックを受け、引きこもってしまう。主人公はそんな成海の力になりたくて彼を夜遊びに誘ったり、海に誘ったりし、羽を伸ばさせた。そして自分が成海からもらったら宝物だと、かつて教えてもらった聖歌隊の歌を歌った。歌が大好きだと言う気持ちが心に響いた成海は泣いた。
決意した成海は、夕星に海外での耳の治療をさせることにした。絶対に夕星を待っているからと。アッポリのドラムの場所は無くさないから、治して戻ってきて欲しいと。その気持ちは夕星とメンバーたちに伝わり、夕星はアメリカへ経つことになった。
しかし成海はもう一つ悩みを抱えていた。それは誕生日の頃から歌声が変わったことにあった。それは変わったのじゃなく、変えたこと。その理由はなんと、成海の本当の父親が輝成ではなく輝成の兄である陽成だということを聞いたからだった。陽成はシンガーだった。天使の歌声だと言われ、とても人気があったが喉の病気になり歌か命かどちらかを取れと言われた時、歌をとり亡くなっていた。ハタチになった瞬間にその事実を知らされショックだったが、父親である輝成は本当に自分を愛してくれているのがわかっていたし、そこに疑いを持つわけでは無かった、ただ、その時渡された陽成のレコードから聞こえた歌声は、自分にそっくりで、歌い方すら全てそっくりで、自分が今まで作り上げてきた自分の歌がただのコピーでしかないと知った事にショックを受けたし、自分が命か歌かの選択に迫られたら正直なんと答えられるのかも分からなかった。
その事があり、歌を真似ている事が嫌でわざと歌い方を変えた成海。しかしそこにはもう歌を楽しんでいる成海は存在せず、苦しそうだった。
しかし主人公は言う、その歌声をなぜ無くすのかと。だってその歌はギフトだから。お父さんが成海くんだけにくれた大切なギフトだから。そんな素晴らしいものを無くさなくてもいい、大切にすればいいのだと。
その言葉が胸を打った成海はまた泣いた。そしてもう迷わなかった。また取り戻した成海の歌声は以前と同じあの天使の歌声だった。
そんなこともあり、ようやくまたアッポリは復活したと思われたが今度は忍が曲を書けないとヤケになっていた。彼はグリララのかつてのメンバーであるベースのひろとの亡霊に未だ囚われている一人だからだ。天才と言われた彼を超えるまえに、彼はこの世を去ってしまっていたから。どうしても敵わない天才の影に怯えている。
しかしグリララの助けと、成海の熱い気持ちでついに忍は心を決め、自分と向き合う事ができた。そしてついに、忍はトラウマを克服し、曲を書く事ができたのだった。
療養していた夕星も少し落ち着き、帰国。アッポリはついに完全復活した。
振り返ればいつも、主人公はそばにいた。辛い時も迷った時もいつも支えてくれ、励ましてくれ、強い笑顔で導いてくれた。その事に気付き始めている成海は、いつも胸の中に主人公がいることにも気づいた。主人公が笑えば嬉しいし、可愛いと思うし、愛しい。他の男と話していればモヤモヤしたし、彼女が好きなのは俺なのに!と言う気持ちが胸を支配した。これを恋と呼ばずになんと呼ぶのか?
それに気づいた成海はついに心を決め、主人公に告白してくれたのだった。しかし全く女だと思われていないと思っていた主人公は突然のことに理解できず、何度も好きだと言ったせいで同情されたと勘違いし、逃げてしまった。同情だと思われた成海はショックを受けるが、一晩考えてもやっぱりこの気持ちには嘘がないと確信し、いてもたってもいられず大学で主人公を見つけ、なんと大勢の人前で再度告白をしてくれた。今度こそその言葉を信じられた主人公は成海を受け入れ、二人はキスをした。
やっと初恋は、実った瞬間だった。
その後グリララに挑戦状を出されてたアッポリと主人公の曲作り対決は勝敗がつかず、どちらもグリララのハロウィンライブに出してもらえることになった。そしてハロウィンライブ当日。アッポリとしてステージに立つ成海を見た主人公は、好きと言う気持ちを噛みしめる。自分に歌と愛を教えてくれた成海は自分の魔法使いのようだと。
一方ステージで主人公を見つけた成海も、いつも自分を導いてくれる大好きな主人公は俺の魔法使いなんじゃないか、と。同じ気持ちを思う二人は遠くから微笑みあった。
エンドロール後は、恋人同士になれた二人だったが忙しくて中々ゆっくり時間が取れず、主人公が不満をグリララにこぼす。しかも成海に襲われたいという願望を話しているとちょうど来た成海に聞かれてしまった。その日の夜、なんと成海は主人公に一緒に寝ようと誘ってくれた。喜ぶ主人公だったが、二人はくっついているだけでもドキドキし、とても幸せで満たされて、抱きしめあって幸せを噛み締めながら寝た。
後日、グリララに「一緒に寝たけど何も無かった」と伝えると言葉を失われ悲しい目で見られるが、主人公はそんなこと気づかずにとても幸せそうだった。

(エンド2~コンポタとはんぶんこのマフラー~)
エンド1のエンディングと同じで、エンドロール後だけ変わるエンド。
ハロウィンライブが終わり、12月になっていた。二人は相変わらずラブラブで、大学でも常に一緒。そんな頃、帰り道の公園に寄ると成海が缶のコーンポタージュスープを買って来て、自分のマフラーを主人公の首にも巻いてはんぶんこする。これを恋人ができたらやりたかったのだと語ってくれ、二人はお互いのしたかったことをこれからもずっと一緒にやろうねと、永遠の約束をした。

(エンド3~君が好きです~)
エンド1の流れで、夕星の耳が聞こえなくなって来ているところから分岐する。
すっかりもう自信をなくした成海は、このままではアッポリはダメになってしまうと思い、アッポリ解散を決意した。
数ヶ月後あっという間にアッポリは解散され、普通の毎日を送る。相変わらず主人公は成海に振り向いてもらえなくてもう気力も無くなっていた。そんな矢先、主人公はアメリカでのデビューの話が来た。成海はそれを聞いてもいかないでとは言わず、応援してくれた。その言葉に本当にもう望みはないのだと諦め、主人公はアメリカへ経つことを決意する。
そして出発する前日、覚悟を決めた主人公は成海の部屋に訪れ、気持ちが叶わないならせめて今夜だけ恋人にして欲しいと願い、成海に抱いてもらった。
そしてアメリカへ行ってから三ヶ月がたっていた。歌の方は順調にいっていたものの、やっぱり思い出すのは成海のことばかり。一人ベンチで項垂れ、ため息をこぼす。するとそこに「大きなため息だね」という声が聞こえた。絶対ありえないその声に驚き顔を上げるとそこには、成海がいた。
なぜそこにいるのかと言う驚きで声が出ない主人公に会いに来たと言う成海。そして、君が好きですと言った。いなくなって初めて、主人公が今までどんな大きな存在だったのかを知ったと言う。もう遅いかと尋ねる成海に、涙を流して好きだと答えた。
その後、アメリカで過ごす二人に変化も訪れた。成海はまた歌えるようになり、なんと成海もソロでアメリカでデビューが決まった。そんな時、二人の目の前に忍とゆきが現れた。歌うのに俺たちと一緒じゃなくていいのか?と。そしてさらに夕星が現れ、また一緒にいてあげると言う。その言葉に笑顔になった成海はみんなで抱きしめあって喜んだ。